
子」に相当すると思われる。藁の腰蓑に棒を持ち、鬼を取り囲む。
佐賀県藤津郡竹崎観音鬼祭り(一月二日〜三日、以前は五日〜六日)鬼は箱の中に入っていて、姿を見せない。住職、若者組、宿老、童子が関る儀礼で、鬼という名称は、「鬼箱」と若者あんぞえの代表者「鬼副」と「鬼よー」という掛け声に認められる。なお、「儺」の要素として、法要中に奇声もろとも裸形の著者が堂内に集団で押し寄せること、初夜の法要の後、宿坊の横の若者宿の庭で、手当たり次第の胴上げサンカラカクをすること、束ねた大聖棒(牛王杖)をひもが切れるまで地面に打ち叩く儀礼のあること、鬼箱の奪い合いをすることなどがある。童子の舞で穀物をまく所作などにも呪具としての穀物や豊作予祝の傾向が指摘できる。
大分県国東町成仏寺修正鬼会(隔年の旧一月五日)と国東町岩戸寺修正鬼会(隔年の旧一月七日)は六郷満山(東)の修正結願、大分県豊後高田市天念寺修正(旧一月七日)は六郷満山(西)の修正会の結願行事である。
大善寺玉垂宮鬼会(福岡県久留米市渡辺良正撮影)
竹崎観音鬼祭り(佐賀県藤津郡東京国立文化財研究所提供)

成仏寺修正鬼会(大分県国東町)

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